コラム

私がめんたいこちゃんと呼ばれるまで(4)

続き

行きつけの居酒屋

仕事が上手くいかないからといって、それじゃぁ結婚するか。と適当に婚活パーティーに行くような人間に世間は甘くはない。数枚の紙に自分を落とし込む事が苦手で、大学3年生あたりから始まるいわゆる就職活動を避けてここまできたのだが、ここでまた自己紹介の壁にぶち当たった。ただ、ちょっぴり真剣に考え始めてみると、自分を3分にまとめる練習は意外と面白く、為になった。

しかしまたさらなる壁。。すぐに家庭をイメージできるような、一般的な女性らしい女性が圧倒的にモテているのを目の当たりにして、私はまたいじけた。「はぁ…そもそも今まで全く知らなかった人と結婚だけの目的で出会っても、これから人生を共にしようなん考えられないわ…歩み寄れないわ…はぁ…」とごにょごにょ。そんな私にまた最強オシャレウーマンが言った。

いや、そういう集まりじゃなくて、お酒も好きなんだし、行きつけの居酒屋とかで良い出会いが見つかるタイプだと思うよ。と。そして、その時たまたま読んでいた自己啓発本にも、仕事のストレス解消法として、職場と自宅の間に居酒屋を挟めと書いてあった。

通うならこのお店にしようと思いつつ何回も前を通り過ぎていたお店は、既に思い入れがありすぎるあまり逆に緊張し3回はドアの前で帰った。しかしドアを開けるとそこには想像を遥かに超えて私好きな空間が広がっていて、その日から頻繁に通うように。そこで出会う方々は、店主を始め、お客さんも漏れなく面白い人ばかりで、そんな方々とわいわい話をしていると、帰る頃には不思議と仕事の愚痴を忘れているのだった。

そんな面白くてカッコいい皆様に覚えてもらえたら嬉しいなあという思いで、私は”毎週火曜日に現れるなんだかやたら明太子が好きな人”となった。基本何も考えず飲みに行くのだけど、火曜日に現れて、無理矢理明太子が好きだという話をする。タイミングよく投稿が貯まってきた明太インスタを見せながら。それだけ。それだけなのだけど、今まで薄すぎた私の存在感が、少しずつはっきり見えてきたような、そんな気がした。

明太旅

興味のあることをとことんやりつくしたい、と勢い余って次の職場を決めずに退職を決めた私。さて、何をしよう。いくつかやりたいことはあれど、周りに仕事辞めました!という報告をしつつ、なんとなく福岡で明太子屋さん巡りをしたいという話を真っ先にしていた。

私の尊敬する飲食店の方々は、「面白そうじゃん!」とすごく面白そうに話を聞いてくれた後で、決まって「で、いつ行くの?」「どれくらいの期間行くの?」「どういう風に明太子屋さんを巡るの?」と怒涛の質問攻めが始まる。ええええい!こうなったらもう後戻りは出来ん。とにかくすぐに実行だ。濃い旅行をして、濃いお土産話を持って帰って来よう。

それから自分にしては珍しくテキパキと動き、「〇月〇日から〇日まで2週間行ってきます!」「毎日明太子屋さんへ行って明太子をひたすら買ってきます!」「インスタグラムで繋がって頂いていた明太子屋さんとはお会いする約束をしました!」「では、張り切って行ってまいります!」ということで、いつもの旅行とは一味違う明太旅へと出発したのであった。

続く

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